228:眼科でのアレルギー検査について
こんにちは、新宿東口眼科医院です。花粉が飛び始めております。眼のかゆみなどの症状が気になる方は早めの受診をおすすめします。 今回のテーマは「眼科でのアレルギー検査について」です。 〇はじめに アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)としては、春先の花粉が、よく知られています。代表的な植物は、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどです。花粉の他には、家の中のダニやほこり、ペットのフケなどのハウスダストがあります。これらは、季節性の花粉と違い、1年中症状を引き起こす可能性があります。ハウスダストには、いろいろなものがあります。ほこりの中に混じって生きているダニ、ダニの死骸や糞、ヒトや動物のフケや毛、カビなども含みます。これらが無数のほこりとなって空気中の舞い上がり、結膜や、鼻の粘膜などについてさまざまなアレルギー症状を引き起こします。結膜は、外からの刺激や異物にさらされやすい組織で、涙などでぬれていますので、花粉やハウスダストがくっつきやすくアレルギー症状が起こりやすいです。 〇なぜ原因物質(アレルゲン)を特定する必要があるか 症状が出ていても何にアレルギーを起こしているのかはわかりません。自分がどのようなものにアレルギーの反応を起こすかを検査により知ることで様々な対策を立てることが可能になります。原因と対策が分かれば、アレルギーの症状が軽くなっていきます。 ○アレルギー検査の種類 ・ 血液検査(特異的IgE) 体内に異物(抗原)が入ってくると、それを防ぐために血清中に抗体ができます。このうちアレルギーに密接に関係する抗体はIgE抗体です。このIgE抗体が一度体内にできて増えたところに、再び抗体のできるきっかけとなった抗原が入ると、急激に反応し、発疹、発熱、鼻汁、涙、かゆみ、ショックなどのアレルギー性疾患を引き起こします。結果は、原因と思われるアレルギー物質に対して、陽性か陰性か判断する指数で表示されます。 ・ スクラッチテスト アレルゲンのエキスを腕の皮膚の上に1滴たらして、針で少しだけ皮膚を引っかきます。アレルギーの反応である膨疹(皮膚が盛り上がる腫れ)や発赤(皮膚が赤く腫れる)を見て、アレルゲンを確定するテストです。 ・ 皮内テスト アレルゲンと疑われる花粉などのエキスを直接皮膚内に注射して現れる膨疹や発赤を測って、アレルゲンを確定します。 ・イムファストチェック 指先等からのごく微量の血液で、3項目のアレルゲンを同時にその場で判定できます。検査結果が出るまでは、約20分ぐらいです。 イムファストチェックJ1:スギ花粉/ヤケヒョウヒダニ/ネコ上皮 イムファストチェックJ2: 卵白/牛乳/小麦 〇当院で行うアレルギー検査(血液検査 MAST33 特異的IgE)について 採血によって、下記の33項目アレルゲンについて測定できる検査を行っております。アレルギーの原因は様々なものが考えられますので、当院では一度の採血で主なアレルゲンが分かる33項目のアレルギー採血検査(MAST33)をお勧めしております。 ※注意※ アレルギー採血をご希望の方は、事前にご予約をお取り下さい。 ———————————————————————————————————————- 食物アレルゲン ソバ・小麦・ピーナッツ・大豆・米・マグロ・サケ・エビ・カニ・チェダーチーズ・ミルク・牛肉・鶏肉・卵白 花粉アレルゲン オオアワガエリ・ハルガヤ・カモガヤ・ブタクサ混合物Ⅰ・ヨモギ・スギ・ヒノキ・ハンノキ・シラカンバ 環境アレルゲン コナヒョウヒダニ・ハウスダストⅠ・ネコ・イヌ その他のアレルゲン ペニシリウム・クラドスポリウム・カンジタ・アルテルナリア・アスペルギルス・ラテックス これらを一度の採血により測定をし、自身も気付いていなかったものも見つける手段となります。症状を軽くするためにも、原因となるアレルゲンが何かを知り、生活環境にも気を配ることも大切です。 〇アレルギー検査の流れ 診察 ↓ 採血(要予約):採血量は微量(0.5ml) ↓ 後日、診察(結果について説明) ※結果は約1週間前後で届きます。 ・ 費用 保険適用3割負担で約5000円 〇結果の見方 結果はMASTクラスといって0から6までの7段階で示され、1なら擬陽性、2-6が陽性と判定されます。