221:結膜炎の種類
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
まだまだ寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「結膜炎の種類」についてです。
結膜炎という病名は耳にしたことがある方も多いかと思いますが、一口に結膜炎といっても様々な原因があります。今回は結膜炎の種類やその治療法について、改めてご紹介させて頂きます。
<結膜炎とは>
眼球表面(白目の部分)から瞼の裏側にかけてつないでいる薄い膜を「結膜」と呼び、この結膜に炎症が起きている状態を「結膜炎」といいます。結膜は、まぶたを開いている間ずっと外部にさらされていて、とても刺激を受けやすい部位です。袋状になっている部分もあるので異物が溜まりやすく、また常に涙で濡れているので細菌やウイルスが繁殖しやすい環境です。そのため、結膜は感染やアレルギーなどによる炎症が起きやすいと言われています。
<結膜炎の種類と症状>
☆ 非感染性☆
① 春季カタル
* 上瞼の裏側や黒目のまわりにぶつぶつができる病気です。
* 学童期~思春期の男子に多く見られ、アトピー性皮膚炎やダニにアレルギーを持っている人に発病しやすいといわれています。
* 主な症状は、粒状の小隆起ができる・強いかゆみ
②アレルギー結膜炎
* 花粉や住まいの中にあるほこりが原因になって起こる目のアレルギーのことをいいます。
* 主な症状は、目のかゆみ・異物感・メヤニ・充血・涙
* 当院では、1回の採血で33項目調べられるアレルギーの検査を行っております。
☆ ウイルス性☆
① 流行性角結膜炎
* アデノウイルス8型(時に4・19・37)に感染することによっておこる結膜炎です。はやり目とも呼ばれます。感染してから7~14日で発病します。
* 主な症状は、まぶたの裏側のブツブツ・充血・メヤニ・かゆみ・痛み・流涙
② 咽頭結膜熱
* アデノウイルス3型(時に4・7)に感染することによっておこる結膜炎です。感染してから5~7日で発病します。プールで感染することがあり、プール熱ともよばれます。
* 主な症状は、結膜のぶつぶつ、発熱、咽頭炎
③ 急性出血性結膜炎
* エンテロウイルス70型に感染することによっておこる結膜炎です。感染してから1~2日後に発病します。
* 主な症状は、結膜の出血・ぶつぶつ・充血・異物感・まぶしさ
☆ 細菌性☆
① カタル性結膜炎
* インフルエンザ菌、肺炎球菌、ぶどう球菌などに感染しておこる結膜炎です。
* 主な症状は、充血・メヤニ
<結膜炎の治療>
結膜炎は、基本的に点眼や眼軟膏によって治療をします。お薬の種類は以下の通りです。
① 抗アレルギー剤
・ヒスタミンと受容体との結合を阻害し、かゆみや充血などのアレルギー症状を抑えます。
・選択的ヒスタミンH1受容体拮抗剤であり、アレルギー症状の原因物質(ヒスタミンなど)の産生や
放出を抑えて、抗ヒスタミン作用、抗アレルギー作用を示し、
アレルギー症状を消失もしくは和らげます。
・抗原刺激による肥満細胞などからのケミカルメディエーターの遊離を抑えて、
抗アレルギー作用を示し、目のかゆみ、目やに、充血、まぶたのはれ、ごろごろするなどの
症状をやわらげます。
・ヒスタミンなどの遊離を抑制することにより、かゆみや充血などのアレルギー症状を抑えます。
・アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの体内物質の働きをおさえる作用があります。
そして、アレルギーによる目のかゆみ、充血、涙目などの症状を予防し軽くします。
花粉症にもよく使われます。
② 非ステロイド抗炎症剤
・炎症の原因物質であるプロスタグランジンの生成抑制作用などにより炎症を抑えます。
・ヒスタミン遊離抑制によって抗炎症作用、抗アレルギー作用、組織再生促進作用を示し、
かゆみ、痛み、涙流などの症状を抑えます。
③ 副腎皮質ステロイド剤
・合成副腎皮質ホルモン(ステロイド)製剤で、抗炎症作用や抗アレルギー作用をもち、
目のいろいろな炎症を抑えます。
・合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)で、炎症による目のかゆみ、赤みなどの症状を改善します。
④ 抗生剤
・細菌のDNA複製を阻害し、増殖を阻害することにより抗菌作用を示します。
⑤ ステロイド眼軟膏
・抗生物質と合成副腎皮質ホルモン剤の配合剤で、抗菌作用と抗炎症作用により、
目およびその周囲の炎症症状(かゆい、発赤など)を改善する眼科用の塗り薬です。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。