266:コンタクトレンズとケア用品
こんにちは、まもなくクリスマスですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは、「コンタクトレンズとケア用品」です。
ソフトコンタクトレンズのケア方法
使い捨てのソフトレンズには2種類のケア用品があります。
1MPS(マルチ・パーパス・ソリューション)
こすり洗い、すすぎ、消毒が1本で出来るこすり洗い消毒のケア用品
2過酸化水素タイプ
つけ置き消毒のケア用品
1【MPS(マルチパーパスソリューション)】
1本で洗浄、すすぎ、消毒、保存ができます。一般的に両面20秒ほどこすり洗い後、つけ置きし、
4時間で消毒が完了します。消毒の時間が過酸化水素タイプより短いので
毎日長時間コンタクトレンズをつけられる方におすすめです。
こすり洗いをきちんと行わないと消毒効果が得られないことが注意点です。
よくあるトラブル
1)こすり洗いをせず、つけ置きだけをされた場合。
2)古い容器を使い回しされる場合。
3)つけ置き液を交換されないで使い続ける。
必ずこすり洗いをして頂き、清潔なケースに新しい保存液を入れつけ置きをお願いします。
※一度使用した保存液は再利用できません。使用後のレンズケースは空にして流水でよく洗った後、
自然乾燥してください。
2【過酸化水素水】
過酸化水素水の強い消毒力を使い、消毒をします。こすり洗いは不要です。
ただし過酸化水素水は目には劇薬ですので、消毒の際にコンタクトレンズの中に取り込まれた
過酸化水素の中和を行います。つけ置きして消毒・中和が終わるまでの時間は一般的に6時間ほどです。
消毒力はMPSより強力ですが、中和が完全に終了してから装用しないと目に入れたときにとても痛く、
大変危険なので、消毒時間をしっかりととれない方にはお勧めできません。
よくあるトラブル
1)つけ置き規定時間以内で装用してしまう場合。
2)消毒液ですすいで眼に入れてしまう場合。
必ず規定時間以上つけ置きして頂き、レンズをすすぐ場合は市販の生理食塩水ですすいで下さい。
※使用後のレンズケースは空にして流水でよく洗った後、自然乾燥してください。
ハードコンタクトレンズのケア方法
ハードレンズの洗浄・消毒方法も主に2通りあります。
1こすり洗いタイプ
2つけおき洗いタイプ
ソフトレンズとは違い酵素の力で消毒を行います。
1【こすり洗いタイプ】
1) 外したレンズを人差し指と中指にレンズを乗せて洗浄液を3~4滴落とします。
2) 指の腹で約15秒間レンズの両面をていねいに洗浄します。
3) 洗ったレンズを専用すすぎ液か、水道水で洗い流して保存液を満たした専用のケースにしまい、
指定の時間置きます。
4) 装用するときは、ケースから出して水道水で洗ってから装用します。
2【つけおき洗いタイプ】
1)外したレンズを水道水、または専用すすぎ液ですすぎます。
2)保存液を保存ケースに入れて、酵素剤を1~2滴加えます。
3)その中に外したレンズをつけ、指定の時間つけおきします。
4)装用するときは、ケースから出して洗浄液か水道水で洗ってから装用します。
ハードレンズケアの陥りやすいトラブル
1) こすり洗いつけ置き共に、すすがずに眼に入れてしまう場合です。
必ず水道水ですすいで装用してください。
2)次に多いのが流失です、ケアをされる洗面台には市販のレンズキャッチャーを装着されることを
お勧めします。
万が一刺激性のあるケア用品の液が眼に入ってしまった場合は、早急に水で洗い流していただき、
当院へお越しください。そのままにしてしまうと痛みが出たり、
眼に炎症を起こしてしまう可能性があります。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。