486:目にボールが当たったらどうすればいい?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
新緑の季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「目にボールが当たったらどうすればいい?」です。
体育の時間や部活動等で目にボールが当たってしまうなど、日常生活の中で目をぶつけてしまうこともあると思います。
目に衝撃が加わると、様々な疾患を起こす場合があり、とても危険です。
目に強い衝撃を受けた際に、当日何も症状がなくても後日症状が現れる場合があります。強い衝撃を目に受けると最悪の場合、明するおそれがあります。
その為、ボールが当たってしまったなどで目をぶつけてしまった場合、すみやかに眼科専門医の診察を受けるようにしましょう。
<損傷例>
網膜剥離: 網膜が通常の位置から剥がれてしまう病気です。カーテンがかかったように、視界の一部が急に見えなくなったり、視力が低下したりします。
網膜裂孔: 網膜に破れ目ができた状態のことで、網膜剥離を引き起こす要因になります。
網膜震盪症:網膜の中心部が白く濁り、視力低下や一部の視野欠損、出血を起こすことがあります。
眼窩底骨折:強い衝撃を受けることによって起こる骨折のことです。目を支えている骨や眼球が奥へ偏位し、物が二重にみえる症状が出たりします。
隅角解離・虹彩離断:虹彩が衝撃により引き裂かれて、切れている状態です。多くは前述の前房出血を併発します。
水晶体脱臼:水晶体を支えているチン小帯が切れてしまい、水晶体が眼球の奥の硝子体中に脱落したり、本来の場所ではないところへ偏位してしまう症状です。脱臼の程度により違いはありますが、視力が低下し、一般的には近視と乱視が顕著となり、メガネでは矯正が難しくなります。
<検査>
まずは基礎検査として視力・眼圧を測定します。その後に医師の判断により、症状に応じた検査を行います。
◎ 眼底精密検査…目薬(散瞳薬)をさして目の奥(眼底)の状態を診る検査を行います。
薬が効くまで10~30分ほどお時間をいただきます。
※ 5~6時間ほど目薬の効果が続き、車の運転や手元の作業がしづらくなります。特に、当日中は安全の為に車の運転は絶対にお控えください。
◎ 眼底カメラ…網膜の写真を撮る検査です。網膜や視神経の疾患を調べることが出来ます。(網膜剥離・眼底出血等を確認します)
◎ DRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)…網膜の断層画像を撮影する検査です。普通の眼底検査ではわかりにくい網膜疾患も早期に発見することが出来ます。
◎ 眼球運動検査…損傷により眼球運動が傷害されていないか調べる検査です。
◎ 細隙灯検査…細隙灯と呼ばれる拡大鏡を使い、帯状の光を目に当てて、主に前眼部を観察します。結膜、角膜、前房水、虹彩、瞳孔、水晶体等が観察でき、特殊なレンズを用いると後極部(硝子体・網膜等)の状態を観察することもできます。
※ 診察を受けていただき、医師の判断によって、その場で点眼等の処置を行うことがございます。
※所見によっては経過観察、または大きな病院などに紹介、手術となる場合もあります。
・上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
・一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください。