491:霰粒腫と麦粒腫の違い
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
梅雨明けが待たれる今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日のテーマは「霰粒腫と麦粒腫の違い」についてです。
どちらも「 ものもらい」として広く認識されており、症状もまぶたの一部が赤く腫れるなど似ている点も多いため混同されやすい疾患です。しかし厳密には「ものもらい」は麦粒腫のことであり、麦粒腫と霰粒腫は原因も症状も違う別の病気です。
まず、霰粒腫の原因は瞼の縁にあるマイボーム線の出口が詰まり、中に分泌物が溜まってしこりのような塊ができることによって起こります。細菌感染によって起こるものではありませんが、炎症が起こり急性化膿霰粒腫に変わることもあります。症状としては腫れや異物感はありますが、痛みがないという点が麦粒腫と違う点です。霰粒腫は治療が長引く傾向があり、治るまでに数ヶ月かかることもあります。場合によっては手術なども必要になります。
一方、麦粒腫は霰粒腫とは異なり細菌感染によって起こるもので、汗を出す腺やまつ毛の毛根、マイボーム腺からブドウ球菌が入り込むことによって炎症が起こります。細菌感染が原因といっても、ほかの人にうつることはありません。最初はまぶたの一部が赤くなり、軽度の痛みやかゆみなどの症状が出ます。さらに炎症が強くなってくると強い痛みや腫れなどの症状も出てきます。麦粒化膿や炎症を抑える抗生物質の点眼液や軟膏で治療を行っていきます。霰粒腫とは違い、麦粒腫は通常は一週間からほどで症状が軽快していきます。
このように霰粒腫と麦粒腫は炎症が起こる原因や症状に違いがあるため、それそれの病気の違いをよく理解し、適切な治療を受ける必要があります。
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