532:糖尿病に関する目の病気
こんにちは、新宿東口眼科医院でございます。
吹き抜ける風が肌に心地よく感じられるころとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「糖尿病に関する目の病気」についてです。
- 糖尿病とは
糖尿病とは、インスリンの作用が十分に働かず、ブドウ糖が有効に使われないために血糖値が高くなってしまう状態のことです。放置すると全身に様々な影響を及ぼします。
- 目の合併症
糖尿病になると、目の網膜の毛細血管が詰まったり、高血糖によって引き起こされる末梢神経障害や代謝異常などによって、目の合併症が起こります。
・糖尿病網膜症
糖尿病網膜症とは、糖尿病の三大合併症の一つで、日本人成人の失明原因の上位となっている病気です。
網膜には、光を電気信号に変える神経細胞があり、水晶体・硝子体を通って入ってきた光の情報を脳に伝えるという役割を果たしています。網膜には細い血管(毛細血管)があり、それらの血管が神経細胞に酸素を配っています。しかし、糖尿病により血糖コントロールが悪い状態が続くと網膜の毛細血管が詰まったり傷ついたりし、出血などの血管障害が起こるようになります。これが糖尿病網膜症です。
その他にも様々な合併症があります。
・糖尿病黄斑症
網膜の中央には「黄斑」という部分があります。この場所には色や形を判別するための神経が集まっており、人が物を見る際に重要な役割を担っています。糖尿病になるとこの黄斑に浮腫という水ぶくれのようなものができやすくなります。浮腫ができると神経の感度が低下し、視力低下を招きます。これが糖尿病黄斑症です。
・糖尿病白内障
糖尿病の方の中には白内障が生じることがあります。加齢によって起こる白内障の場合は数年単位で視力が低下していきますが、糖尿病がある場合は加齢が原因で起きる白内障よりも白内障の進行が速いと言われています。
視力を改善させるために水晶体の濁りを取り除き、人工のレンズを入れる白内障手術などの治療法もあります。
気になる症状が出てきたときは眼科を受診しましょう。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
●一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください。