580:どうしてコンタクトを着けたまま寝るといけないの?
こんにちは新宿東口眼科医院です。
澄み渡る五月の空の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
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5月17日、24日、31日(日)11:00-14:00
(電話再診も上記の時間のみの受付となります。)
隣接販売店Jコンタクト新宿店は通常通り営業しておりますので、コンタクトレンズご購入のみ希望の方はぜひご利用ください。
また、同医療法人池袋サンシャイン通り眼科診療所は、以下の日程で診療時間を短縮させていただきます。
5月12日、19日、26日(火) 11:30~13:45/15:00~17:00
5月8日、15日、22日、29日(金) 11:30~13:45/15:00~17:00
上記以外は通常通り診療していますので、ぜひご利用ください。
ご不便・ご迷惑をおかけしますがご理解・ご協力お願い致します。
さて、今回のテーマは「どうしてコンタクトを着けたまま寝るといけないの?」です。
外すのが面倒だから、短い時間だから、といってコンタクトレンズを着けたまま
寝てしまったという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
コンタクトを着けたまま寝ることで、目に様々なトラブルが起こる可能性があります。
代表的なものが、「角膜に傷がつく」ことと、「角膜が酸素不足になる」ことです。
- 角膜の傷
角膜は黒目と言われる部分で、厚みは約0.5mmのヒトの体の中で唯一透明な器官です。
角膜には血管が通っていないため血液から酸素を得る事が出来ません。
そのため、目の表面を覆っている涙から酸素を取り入れています。
分泌された涙はまばたきによって眼の表面に行き渡り、酸素を供給しながら角膜を
保護します。しかし眠っている時はまばたきをしないことと、人間の目の構造は寝ている
間は新しい涙がほとんど生成されないので、角膜や目の中にあるコンタクトは乾燥して
ゆきます。その乾いたレンズと角膜が擦れることによって、目に傷が発生しやすくなります。目の傷は細菌侵入の原因にもなるため、非常に危険です。
- 角膜の酸素不足
角膜には血管がないため、空気中から直接酸素をとり込むか涙で運ばれてきた酸素を吸収する必要があります。しかし、コンタクトを着けたまま寝てしまうと、角膜をレンズで覆ってしまい、角膜がほとんど呼吸できない状態になり、酸素不足を引き起こしてしまいます。
十分な酸素が角膜にいき届かなくなることにより、目の呼吸や代謝を担っている重要な
細胞である「角膜内皮細胞」の減少を促進させてしまいます。
この細胞は、一度失われてしまうと一生再生することがなく、減少すると角膜の透明度や
視界、将来の白内障手術などに影響します。
角膜が酸素不足になると、白目(結膜)の血管から酸素を供給しようとして角膜の周囲から中心に向かって血管が伸びてきます。この症状を「角膜血管侵入」といいます。
症状が進行すると角膜の濁り、視力障害、失明の危険性があるため注意が必要です。
また、酸素不足のために角膜の細胞の新陳代謝が阻害されると、角膜がむくみ、
「角膜浮腫・剥離」を起こすことがあります。視力不良となり、剥離になると激痛を伴い、治療に時間がかかります。
- レンズを着けたまま寝てしまったときの対処法
レンズを装用したまま寝ると、乾燥によって目にくっついてしまい、簡単に外しにくい状態になります。このとき、無理やりレンズを外そうとすると、角膜を傷つけたりレンズが目の中で破損してしまう恐れがあります。
レンズを外そうとする前には、目を潤すようにしましょう。目の潤し方としては、
「目薬か人工涙液を差す」「貯めた水の中に顔を付けてまばたきをする」があります。
ただし、水道水を使用した場合、レンズに細菌が付着したり汚れたりする可能性があるため、外したあとのレンズの管理には注意が必要です。
また、目の中でレンズが行方不明になることがあります。そのときには、慌てず目の中を確認してください。手鏡などを使ってまぶたを裏返して上下左右の奥の方を確認してみるとレンズが見つかります。
どこにあるかすら分からないという場合には、目の隅の方にいっている可能性があるので
早めに眼科で診察を受けることをおすすめします。