684:遠視と老眼は何が違うの?
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「遠視と老眼は何が違うの?」です。
遠視と老眼(眼科では「老視」といいます)が同じものと思われている方が多いかと思いますが、実は違います。眼鏡やコンタクトレンズで矯正する際にどちらも凸レンズを使用するため混合されがちなのですが、原因が異なります。
遠視は屈折異常であるのに対し、老視は老化による調節異常です。
〇遠視
遠視は年齢関係なく、近視や乱視と同じ「屈折異常」の一つです。
調節を休めてリラックス状態だと網膜の後ろにピントが合ってしまうため、遠くを見る時は少しの調節で見え、近くを見る時は強く調節をしないといけません。
遠くでも近くでも調節が必要になり、疲れやすい目と言えます。
〇老視
老視は、調節をするときに働く水晶体が加齢によって硬くなることにより、ピントを合わせづらくなる現象のことです。遠視と違い、40歳を越える頃から誰にでも起こる現象で、屈折異常ではなく「調節異常」の一つです。
○老視になると・・・
遠くを見るときよりも、近くを見るときの方がより多くの調節力が必要なため、老視が始まると、とくに近くの物にピントを合わせるのが難しくなります。
自分はまだ若いからと、近くが見えにくいのを我慢して無理をすると、肩こり、目の疲れ、頭痛、吐き気などの症状が現れます。
このように遠視と老眼は違うものですが、どちらも目の疲れを中心とした症状に体の疲労が加わります。
「最近目が疲れやすいなぁ」「近くが見えづらくなってきた」と感じることがあれば、
眼科の医師に相談してみましょう。
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