860:麦粒腫と霰粒腫の違いは?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
雨に映える紫陽花の花も美しく、爽やかな季節となりました。皆さんお元気でいらっしゃいますか。
本日のテーマは「麦粒腫と霰粒腫の違いは?」です。
どちらも「 ものもらい」として広く認識されており、症状もまぶたの一部が赤く腫れるなど似ている点も多いため混同されやすい疾患です。しかし厳密には「ものもらい」は麦粒腫のことであり、麦粒腫と霰粒腫は原因も症状も違う別の病気です。
麦粒腫 霰粒腫
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
〇原因
麦粒腫と呼ばれるものもらいは、汗を出す腺や、まつげの毛根、マイボーム腺から細菌が入り込んで、炎症を起こした状態です。
〇症状
初めはまぶたに局所的な赤みが出現し、しばしば軽度の痛みや痒みを伴います。炎症が強くなってくると赤み、腫れ、痛みが強くなります。膿が出てしまえば、その後症状は回復に向かいます。
〇治療法
一般的には、化膿と炎症をおさえるために抗生物質の点眼液や軟膏が処方されます。普通は1週間くらいで治りますが、治療をしても治らない場合は切開して膿を出す必要があります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
〇原因
まぶたの縁にあるマイボーム腺と呼ばれる脂肪の分泌腺がつまってしまい、脂肪のかたまりができることを霰粒腫といいます。
体調が悪くなるとマイボーム腺がつまりやすくなることがあります。また、目のまわりを不潔な状態にしたままにすると、細菌が付いてマイボーム腺が閉塞することもあります。
〇症状
症状は眼瞼の腫れや異物感です。典型例では痛みも赤みもなく、眼瞼にコロコロとしたできもの(腫瘤)があるのが、触ると確認できます。炎症を伴った場合は麦粒腫と似た症状が出ることがあり、これを急性霰粒腫と呼びます。
〇治療法
当院では以下の治療法を行っています。
・点眼・軟膏・内服剤などを使用し様子を見る。
・手術で中身を出してしまう
局所麻酔の注射をまぶたにして、まぶたの裏側、あるいは外側から切開します。
(当院で切開をご希望の際は先に一度受診をして頂き、その後日にご予約が必要です。)
このように麦粒腫と霰粒腫は炎症が起こる原因や症状に違いがあるため、それそれの病気の違いをよく理解し、適切な治療を受ける必要があります。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
- すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。