870:網膜剥離の治療法
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「網膜剝離の治療法」です。
網膜剥離とは?症状や原因
網膜剥離は、目の奥の網膜が剥がれてしまう病気です。網膜が剥がれると、視力が低下したり、視野が欠けたりすることがあり、放置すると失明の恐れもあります。網膜剥離の主な症状は、突然の視力の低下や視野の欠けです。また、飛蚊症やチカチカと光が見えるような兆候が現れた場合もあります。
原因は様々ですが、加齢に伴い硝子体が収縮することで網膜が引っ張られること、近視が強い方だと眼軸が長く網膜にかかる負担が大きく剥がれやすいこと、目への強い衝撃や事故などの外的な刺激で剥がれることなどが挙げられます。
治療法について
レーザー治療(網膜光凝固術)
レーザー治療は、網膜にできた小さな裂け目や穴を治療する方法です。眼科医は、特別なレーザー光線を使って網膜を焼き固めます。これにより、網膜が裂け目から剥がれないように進行を防ぎます。レーザーを照射することで、網膜とその下の層がしっかりとくっつき、剥離が広がるのを防ぐことができます。痛みはほとんど感じませんが、治療後に視界が一時的にぼやけることがあります。比較的簡単な治療法で、早期発見された網膜剥離には非常に効果的です。
強膜バックリング手術
強膜バックリング手術は、網膜剥離が進行している場合に行われることが多い手術です。手術では、目の外側にシリコン製のバンドを取り付け、網膜を内側に押し戻します。このバンドが網膜を軽く圧迫することで、剥がれた網膜が元の位置に戻り、色素上皮としっかり接着するように促します。手術後、視力が回復するまでには少し時間がかかることがあります。
硝子体手術
硝子体手術は、網膜剥離がかなり進行してしまった場合に行う治療法です。この手術では、目の中に小さな切開を加えて、細い手術器具を使い、硝子体を取り除きます。硝子体を除去した後、網膜を元の位置に戻すために、ガスやシリコンオイルを目の中に注入することがあります。この方法は、特に網膜剥離が深刻な場合や、他の治療法が効果を示さなかった場合に有効です。手術後は回復に数週間から数ヶ月かかることがありますが、視力を回復させるためには非常に重要な治療法です。
※当院では、網膜光凝固術のみを実施しており、他の手術は行っておりません。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
- 一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
- 無断での記事転載はご遠慮ください。
- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。