871:逆さ睫毛について
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
蝉時雨の降りそそぐ夏の盛りとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「逆さ睫毛について」です。
逆さまつげとは?
「逆さまつげ」とはまつげの先端が眼球の方に向かって生えている状態のことを指します。

もし睫毛が内側に向き、常時眼の表面に触れているようであれば、さかさ睫毛かもしれません。さかさ睫毛には黒目に数本くらいの睫毛がさわる軽症のものから、睫毛の全部がさわる重症のものまであります。睫毛の一部が眼球を刺激するために、涙、目やに、まぶしさ、充血、異物感、痛みなどの症状を引き起こします。
睫毛が角膜の表面を刺す状態がつづいてしまうと、角膜に傷が付き痛みや視力障害を起こしたり細菌感染したりするので注意が必要です。
原因
逆さまつげは、まぶたの構造上の問題で生まれつき起こることが多いです。
その他の原因として「まぶたの傷痕」、「まぶたやまつげの根元の炎症」、
「結膜炎の後遺症」「加齢」などが挙げられます。
とくに加齢にともなって、まぶたの皮膚がたるみ、皮下筋肉の筋力が低下して逆さまつげになるケースが増えています。
治療法
・生まれつきの逆さまつげの場合
成長と共に1歳前後で自然に治癒することがほとんどであるため、抗生剤など点眼薬で経過をみます。2歳以上で治らない場合には、成長に伴い自然治癒することも期待できますが、症状の強さ次第では医師の判断により、手術を行います。
・加齢性や炎症による逆さまつげの場合
この場合まつげを抜くと一時的に症状は改善します。しかし、また生えると症状が出るため、同じことの繰り返しになってしまいます。症状が繰り返せば炎症が再発する恐れや、さらに太いまつげが生えてくることもあります。そのため医師の判断により、手術を行います。
手術としては、まつげの毛根を電気の針で焼く睫毛電気分解や冷凍凝固、糸をまぶたの中に縫いこむことで、まつげの外側を根元に起こす埋没法、皮膚と皮下組織を切除して瞼板に縫い付ける切開法など病状に合わせて手術方法があります。
当院では、角膜を刺激している睫毛の除去と、炎症に対して抗生剤の点眼薬を処方いたします。ご相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
- 無断での記事転載はご遠慮ください。
- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。