309:仮性近視とは
1. 仮性近視とは
仮性近視は偽近視ともいわれており、初期の近視の中にこの状態の方が含まれております。
人間の眼の中には毛様体というピントを合わせるための筋肉があります。
近くを見るときは緊張して縮まり、遠くを見るときは緩みます。近くの作業を多くすると、この筋肉が過度に緊張して、遠くを見ようとしてもゆるまなくなります。
この状態が調節緊張、仮性近視という状態です。
これは成長する子どもの目の生理的変化によるもので、病的な要因によるものではありませんが、遺伝や近業(目の近くで行う作業)の多い環境の影響があるといわれています。
2.仮性近視の検査方法
①裸眼(メガネなし)の視力を測定
②機械による他覚的な屈折力(近視や遠視、乱視の度数)を測定
③自覚的な矯正視力(近視や遠視・乱視のメガネをかけて見やすくなるか)の測定
④仮性近視や調節緊張による近視や遠視なのかを検査するために「雲霧法」や
「目薬による検査」「両眼視簡易検査器(ワック)」を必要に応じておこないます。
●雲霧法
わざとピントが合わないようにしたメガネを20分位かけて、調節ができない状態から
検査をしていく方法です。仮性近視や調節緊張の判断をする目安になります。
●目薬を使った検査
調節を麻痺させる目薬を点眼し、完全に調節力をなくした状態で近視や遠視・乱視の度数を調べる検査です。
両眼視簡易検査器(ワック)
美しいカラー立体風景を5分間見るだけで、遠くの景色を長時間見つめるのと同じ効果が得られます。
3.仮性近視の治療方法
筋肉の緊張をほぐす点眼を就寝前に行います。点眼後30分から1時間で毛様体筋の緊張は完全に取れ、その状態が5~6時間続きます。この点眼をすると、瞳も広がり見づらくなりますが、翌朝には元に戻ります。毎日繰り返すことで、緊張しっぱなしにならない毛様体筋をつくります。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。?
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。