548:目にボールが当たったらどうすればいい?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
残暑残る季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「目にボールが当たったらどうすればいい?」です。
ボールを使うスポーツを趣味や部活動などでしている方は多いと思いますが、
気をつけていても目をぶつけることがあると思います。
当たった後、痛みが治まっても何らかの目の病気になっていたり、近視が進行したり
ということが起きる可能性があるため、目をぶつけたら速やかに眼科専門医への受診を
お勧めします。
〈損傷例〉
・視神経管骨折:眉毛外側の打撲が多い。
→左右で光の感じ方が違うことや視力障害、鼻出血などが起こる。
・眼窩骨折:眼球の周辺にある骨の骨折。
→眼球陥凹、眼球突出、瞼の皮下出血、眼瞼下垂、腫れ、ものが2つに見えたり目の動きが悪くなるなどが起こる。
・網膜振盪症:視力低下や出血、網膜中心部分が白く濁ったりします。
合併症など無ければ視力は回復することがほとんどです。
・網膜裂孔:網膜が破れ、網膜剥離を引き起こす原因。
・網膜剥離:網膜が剥がれた状態のこと。
→飛蚊症、光視症、放置したままだと失明に至る場合がある。
・外傷性白内障:早いものでは数日で目の中のレンズが濁る。
・続発緑内障:眼球が圧迫されると前房出血(茶目の部分の出血)や外傷性のぶどう膜炎(炎症)になり後に緑内障になることがある。
→視野異常、高眼圧、視野が中心まで見えなくなると視力低下。
〈検査〉
・視力検査…視力がちゃんと出るかを確かめるため検査します。
・眼圧検査…緑内障だと眼圧が高くでることがあるのと、
眼圧が高いと使えない薬もあるので検査します。
・散瞳検査…瞳を開く目薬をさして目の奥の状態を詳しく見る検査です。
※瞳が完全に開くまで、15分~30分ほど時間がかかります。
また、副作用で手元が5~6時間ほど見えにくくなります。
(人によってはそれ以上かかる場合がございます)
検査後は安全のため乗り物の運転はお控えください。
・眼底カメラ…網膜の色や血管の異常、出血がないか、
視神経乳頭の異常がないかなどを調べる検査です。
・OCT(光干渉断層計)…網膜の断層画像を撮影する検査です。
眼底カメラと違い立体的に撮影ができるので、網膜の厚さや網膜剥離などの程度判定や
早期発見ができます。
・眼球運動検査…目の位置が正しい位置にあるか、上下左右斜めを見た時に目は正常に動くか、より目ができるかなどを調べる検査です。
・細隙灯顕微鏡…診察時によく用いられる検査で、結膜、角膜、前房、隅角、虹彩、瞳孔、
水晶体などの観察ができる。
更に、特殊なレンズを用いると硝子体や網膜など目の奥まで観察できます。
・両眼注視野検査…動的視野計(ゴールドマン視野計)という機械を使い、
目の動く範囲を調べます。
※症状によっては経過観察や大きな病院に紹介し更に詳しい検査をしたり
手術となる場合がございます。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。