643:糖尿病になると失明するの?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「糖尿病になると失明するの?」です。
〈糖尿病とは〉
インスリンをつくる膵臓の細胞が障害され、インスリンの量が不足する1型糖尿病と食べすぎやストレスなどによって膵臓の働きが弱まり、インスリンの働きを阻害する物質が体内にたまることによっておこる2型糖尿病に分けられます。
日本での糖尿病患者の95%以上が2型糖尿病と言われています。
現在では成人の4人に1人が糖尿病もしくは予備軍と言われています。
〈糖尿病になるとどういう症状が現れるのか〉
初期の段階で症状を自覚することが少なく、症状はゆっくりと少しずつ現れます。
三大合併症に糖尿病性網膜症・腎症・神経障害があり、それぞれに症状をきたします。
この中の糖尿病性網膜症により失明する可能性があると言われています。
〈糖尿病になると失明するの?〉
糖尿病の眼合併症は多岐にわたり、糖尿病網膜症をはじめ、血管新生緑内障や屈折異常などがあげられます。
糖尿病で高血糖状態が続くと、体の細い血管が障害されて血流が悪くなり、とくに細い血管が集中している場所に合併症が起こるため、血管の集中する網膜に症状が現れます。
網膜で細い血管が出血すると黄斑部というものを見る際に大切な部分に障害が起こるため、高度な視力障害が起こりえます。
糖尿病網膜症は中途失明の第2位となっており、早期の発見や治療が大切です。
〈どのように治療をしていくの?〉
糖尿病網膜症の多彩な症状に合わせ、OCTアンギオグラフィーや蛍光眼底造影検査等を経て、網膜光凝固術などのレーザーや黄斑浮腫に対しては抗VEGF抗体療法が用いられ、手術の適応を医師が判断いたします。
早期発見が有用ですので、気になる症状がある方はお早めに医師にご相談ください。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。