718:赤ちゃんと大人の目の見え方って違うの?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「赤ちゃんと大人の目の見え方って違うの?」です。
実は、子どもの視力や視野は大人とは大きく異なります。
新生児の視力は0.01~0.02くらいでほとんど見えていません。ほとんどの赤ちゃんが遠視で生まれてくるため、焦点距離はだいたい30cmです。認識できる色も黒、白、グレーだけです。
生後約1週間で動きに反応するようになったり、親の顔をじっと見るようになります。生後約1ヶ月頃からは色や形なども少しずつですが認識するようになります。
生後2~3ヶ月頃からは形や色が少し分かるようになってくるため、カラフルなおもちゃを見たり、動いているものを目で追ったりするようになります。
また、赤ちゃんが初めて認識できる色は赤だと言われています。
生後4か月頃になると、奥行きが出たり、目と手の協調が発達し、見たものを実際に触ろうとします。しかし、生後4ヶ月頃の視力は0.04~0.08くらいのため、はっきりとは見えていません。
生後8~10ヶ月で0.1程度見られるようになってきます。
2歳頃には視力は0.4~0.6程度になり、四角・丸・三角形などの形の区別がつくようになります。立ちあがることで視界が大人に近くなっています。
3歳頃には0.6~0.8まで見えるようになり、輪郭は多少ぼやけるものの、はっきりと形の違いが分かるようになってきます。発達に個人差はありますが、この頃から1.0の視力を持つ子もいます。
5~6歳頃からほとんどの子どもの視力が大人と同等になってきます。
小さい子どもと大人では視野が大きく異なります。
6歳くらいの幼児の平均的な視野は左右(水平)で90度程度、上下(垂直)で70度程度とされています。一方大人は水平で150度、垂直で120度あります。
幼児期の子どもは転びやすかったり、ものにぶつかったりすることがありますが、視野の狭さはその理由の1つとして考えられます。大人が考えているよりも子どもの視野は狭いです。幼児は『視野が狭い』『視力が低い』という認識を持ち、周りの大人が気を付けることが大切です。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
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