784:色覚ってなに?
行く年を惜しみつつ、来る年を指折り数える年の暮れとなりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「色覚ってなに?」です。
「色覚」とは、色を正しく認識する力です。
そして、先天的あるいは後天的な要因によって、正常色覚にない状態を「色覚異常」といいます。
病気や加齢などによる後天性のものもありますが、そのほとんどは先天性のものです。
人間の網膜には、視細胞という細胞があり、さらに「錐体細胞」「杆体細胞」に分けられます。
杆体細胞…明暗を感じる細胞。色や物を見分けるのにはあまり関係ありません。
錐体細胞…「赤錐体」「緑錐体」「青錐体」と三種類あり、その組み合わせで色を感じ取ります。
この、錐体細胞のいずれか、あるいは全てが欠損して不完全で起こる色の感じ方の異常を色覚異常と言います。
色覚異常者が区別しにくい色の組み合わせの例
細胞の異常によっておこる為、治療等で治るものではありませんがご自身の色覚を認識
して頂くことは、非常に重要です。
☆当院で可能な色覚検査の種類
- 石原式色覚検査表…色覚異常がある方には分かりにくい色の組み合わせを使って描かれた表を見てもらい隠れた数字や文字を読み取る検査です。
- パネルⅮ-15…色相配列検査の事。基準の色票を一つ固定して、残りの15色を順々に並べていく検査です。石原式色覚検査と違い、正常と異常の区別ではなく程度の差を判断する検査です。
☆確定診断が必要な際、検査可能な施設への紹介を行っている検査。
- アノマロスコープ…赤と緑の光を混ぜて黄色い光を作る検査です。
色覚異常の型を鑑別でき、唯一確定診断が検査となっています。
- ランタンテスト…色指標診てもらい、色名で答えて頂く検査です。
鉄道、船舶、航空等の適性検査で使用されます。
〇一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
〇無断での記事転載はご遠慮ください。
〇本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。